安野光雅

 よく見ていると、親が自分の都合で子どもを叱っていることが多いことに、わたしは気がつきました。たとえば、家で洗濯ものを干しているとき、買いものをしているときに、子どもが邪魔をするとか、自分が急いでいるのに子どもが手間をかけるとか、ほとんどの場合、おとなのさまたげになるときに叱っているように思います。 子ども自身の成長に必要だから、ということで叱っている方は、少ないのではないでしょうか。 そもそも、わたしは「しつけ」が嫌なので、叱ることはありませんが、ほかの子を傷つけたり、いじめたりしたときには叱ることも必要だと思っています。